R1100S ABS撤去② 部品調達
こんばんは、カズです。
前回はABS撤去に関する経緯を記事にしました。
今回は部品調達について書きたいと思います。
調査
「R1100S ABS 撤去」で検索すると、偉大なる先人達のブログに必要な情報が掲載されています。
ディーラーでは撤去作業は受け付けておらず、診断および部品交換で30万コースだとか。自分的にはあり得ない選択。そもそも自分で色々やりたい派なので。
調査の結果、必要なのは「前後ブレーキホース」と「ブレーキパイプ(リア用)」ということがわかりました。
部品はMOTOWORKSで一通り揃うということで、活用することにしました。イギリスにある業者ですので、個人輸入することになります。
Motorworks BMW Motorcycle Specialists - Home
年式やABSの種類によってホースのラインナップが複数あり、念のため問い合わせをしたところ、翌日には「それでOKよ」の回答がありました。信頼できそうです。
部品発注
さっそく発注しました。
が、ホースキットが在庫切れだそうです。納期がかかるかもしれませんが、翌日からメキシコに2週間出張するの予定だったので、多少の納期遅れは問題ないでしょう。
で、メキシコ出張中に届いていたようです。いつ届いたのかははっきりしませんが、10日前後だったと思います。ステッカーとキーホルダーがおまけで付いてきました。
部品代 119.48ポンド (約16,000円)
送料 28.58ポンド (約 3,800円)
合計 148.06ポンド (約19,800円)
無事に部品が調達できたので、いよいよ施工です。
次回は施工の記事をアップします。
R1100S ABS撤去① 経緯
こんばんは、カズです。
少し前の事です。2019年7月頃、梅雨が明けるか明けないかくらいの時の久々の晴天の週末早朝に、ソロでしらびそ高原まで行ってきました。
路面状況はかなり良かったので、気持ちの良い速度で走りながら、まだ車の少ない朝もやの中を、景色を楽しみながら走り、快適に目的地のしらびそ高原に到着しました。
しばしの休憩の後、午前中の帰宅を目指しての道中に問題が発生しました。
突然、ブレーキがほとんど効かない状態になってしまったのです。
突然の事で驚き、ふとメーターを見ると、左サイドの「ABS」と「!」の2つのインジケーターが点滅してました。
実は以前から「ABS」の方はたびたび点滅していました。ネット情報によると、エラーによりABSが機能しない状態とのことでしたが、ブレーキは普通に効いていたのであんまり気にしていませんでした。
ただフラッシングとリレーのカチカチ音がうっとおしいので、そんな時はいったんエンジンを切って、5秒以上経ってから再度始動すれば解消していました。
ところが「!」は初めて見るエラーで、ブレーキが効かなくなる現象も初めてでした。エンブレを使って速度を落として、徐行スピードで最寄りのコンビニに入りこみました。
この時は「少し休ませて再始動すれば直っているかも」くらいのお気楽な気持ちで考えていましたが、なんど再始動しても「!」は消えず、相変わらずブレーキも効きません。
自宅まで30キロ強。レッカーを呼ぶか自走するか迷いましたが、(詳細は割愛)とりあえずなんとか帰宅しました。
この症状を改めてネットで調べて、案の定ABSユニットが逝ってしまったことが分かりましたが、前々からこの世代のBMWのABSは弱点であるという情報は仕入れていたので、それほどショッキングではありませんでした。
むしろ、ようやくABSを撤去できる口実ができたと考えました。というのも、今までのブレーキのフィーリングがとても嫌だったのです。
サーボの介入により少しの入力でガツンと効く、いわゆる「ガッツン」ブレーキで、ジンワリ効かせたい派の自分としては「気持ち悪い」ブレーキでした。またブレーキのたびにどこからか聞こえる「ニーッ」というサーボ音も不快だったし、バッテリーを消耗しているように感じて不安でもありました。
というわけで、満を持してのABS撤去に踏み切りました。
次回は作業の詳細をアップします。
【購入品レビュー】Anker Soundcore Liberty Neo
こんばんは、カズです。
最近海外出張が多く、必然的に移動時間をいかに快適に過ごすかが重要になっています。
Amazonプライムで音楽を聴きながら、スマホでネット検索やニュース記事を読んだり読書したり仕事したり、といった過ごし方が一番多いパターンです。
なのでイヤホンは結構重要なアイテムなのですが、手元にあるイヤホンは数年前に三千円程度で購入したBluetooth接続のRiversong製で、不満がいくつかあります。
- 歩いていたり首をひねるととケーブルがこすれて耳から外れてくる
- ランニングをしながらではすぐに外れてしまう
- USBソケットの保護キャップが脱落していて防水性がない
- バッテリーが弱ったせいか、連続再生時間が2時間弱程度しかない
- Bluetooth接続が弱く、スマホを尻ポケットに入れていても途切れがち
改めて不満を書き出してみると、買い替えるには十分なほどあります。ということで次のイヤホンをどれにするか、調べてみることにしました。
価格は様々で、評価の高いSONYのWF-1000XM3は2万5千円前後、AppleのAirPodsで2万3千円ほどといったかなりお高いものから、中華製の聞いたことのないブランドの2千円台のものまで、それこそ選びきれないほどの選択肢がありました。
Amazonの評価を頼りに、大体5千円前後であれば今の自分の要件(つまり上記不満が解消されるもの)を満たすと判断し、最終的にはまともなメーカーから選ぶことにして、「Anker Soundcore Liberty Neo」を購入しましたのでレビューします。
メーカーHP
購入先・価格
購入したのはAmazon
10月4日に注文して10月5日には到着しました。すごすぎるぞ!Amazon!
購入金額は4,999円。もちろん税込・送料込。
音質
試聴した限り、うわずった音でも低音が効きすぎるわけでもなく、十分心地よい音質と感じました。ただ、私の耳はそこまで繊細ではないので、こだわりのある方はAmazonや価格.comのレビューを参考にして頂くことをおススメします。
フィット感・外れにくさ
さて、購入動機として、今のイヤホンが外れやすいことが不満だったので、さっそく本機を取り付けてトランポリンで激しくジャンプしてみましたが、落下やずれることはありませんでした。さらにムキになってヘッドバッキングもしましたが大丈夫でした。
接続距離
メーカースペックには、Bluetoothの接続距離は10mとあったので、測ってみました。
スマホを置いて直線的に徐々に離れていったところ、自宅の端から端まで15mほどでも途切れることはありませんでした。
部屋の扉を閉じると10mくらいで少し途切れました。また扉が開いていても直線でない場合(部屋が90度ほど曲がっている場合)は10mくらいで途切れることがありました。いずれも実用面では問題ないようです。
ノイキャン
家の中でEDMをそれなりの音量で聞いていた時、たまたま嫁さんに声を掛けられたようですが全く気付かず、叱られてしまいました。
一般的な使用用途であれば十分なノイキャンだと思います。むしろ、これ以上ノイキャンだと、外出中に使用するのは危ないのではないかと思います。
満足度
比較対象が数年前の3千円のBluetoothイヤホンではありますが、5,000円相当でこれだけの品質であれば十分満足できます。おススメです。
【購入品レビュー】エルフ バイクシューズ Synthese 14 ホワイト/レッド 26.0cm
こんばんは。カズです。
前回の更新から三か月近くさぼってました。
ふと記事を書きたくなったので更新します。
最近海外出張やら地域の祭りの準備などが続いていて、ネタはあるものの記事を書いている時間がありません。というのはいい訳です。単にさぼっているだけです。
三か月ぶりの記事は、新しく作成した「レビュー」カテゴリーの最初の記事にしたいと思います。
レビューは以下の順に進めていきます。
では順に詳細を書いていきます。
【商品】
エルフ バイクシューズ Synthese 14 ホワイト/レッド 26.0cm
こちらの商品のスペックや売りは、メーカーのHPを見てください。
個人的に一番のポイントは「くるぶしまでの深さ」と「バックル」です。
【動機】
所有するブーツがだいぶ傷んできたため
所有しているのはXpdのレーシングブーツで、ソールが剥がれたりモールが劣化したりと、あちこち大分ガタが来ていました。
改めて確認したら2008年6月に購入したものなので11年以上前のもの。劣化するのも当然といえば当然と言えます。
履きなれたブーツなので惜しいですが、ここまで劣化してしまったら廃棄するしかないでしょう。
気軽に履けるシューズタイプが欲しかったため
実はこのXpd、その頃にCBR600F4iでサーキットを走るのに合わせて購入したもので、サーキットのレギュレーションに合わせて選択したレーシングブーツでした。
初めて履いたレーシングブーツですが、つま先のバンクセンサーが付いていて安心して攻めれた記憶があります。実際1回転倒したものの身体はダメージを受けなかったのは、このブーツのおかげかもしれません。
ただ、今はサーキットを走ることもないし、それよりもツーリング先で飲み食いするのにお気楽に脱いだり履いたり、ジーンズでも気軽に履けるシューズタイプの方が、今のバイクライフには合っているように思い、モノは試しで選んでみることにしました。
【購入情報】
OAナガシマやNAPSといった実店舗や、Yahooショッピングや楽天などのネットショップと比較して、一番安かったアマゾンで購入しました。
アマゾン、13,079円(税込・送料込)
エルフ(ELF) バイクシューズ Synthese 14 ホワイト/レッド 26.0cm
- 出版社/メーカー: エルフ(ELF)
- 発売日: 2011/09/13
- メディア: Automotive
- この商品を含むブログを見る
他はおおよそ一割高く、欲しいサイズ が在庫切れだったりしたのが決め手でした。
毎度の事なので特記するほどではありませんが 、注文して2日後には配達されました。
【比較商品】
決めるにあたって、他の商品との比較もしました。
elf EXA11
同じシューズタイプでシンプルなデザインなので、かなり迷ったのがこれ。
マイナスポイントは「靴紐タイプ」であること。
店頭で確認した際に、脱ぐのも履くのも時間が掛かったのは大減点。簡単に脱ぎ履きできることが条件だったので対象外としました。
elf Synthese13
同じシューズタイプということで、比較対象としました。
ベルクロ1つで保持するはシンプルで脱着も楽なので良かったのですが、それだけでは色々不安になったのも事実。
使っていくうちにおそらくベルクロは劣化して保持力が落ちるだろうし、転倒時にシューズが脱げてしまうようなことがあっては意味がないと判断し、対象外としました。
Alpinestars SMX-S
シューズタイプにしようと思いつつ、でもシューズだと何かあった時のプロテクションが心許ないのではないか?と悩み、ブーツタイプも検討しました。
やはりバイクブーツといえばアルパインスター。ラインナップの中では一番安いレーシングブーツではあるものの、デザイン性が良くブランド力にも魅力的ではあったものの、趣旨目的に立ち返って対象外としました。
ブーツはブーツで1つは欲しいのも本音なので、ひょっとしたら追加で買うかも?
【購入の決め手】
シューズタイプであること
前述したとおり、脱着が簡単にできるシューズタイプは一番の条件で、Synthese14はそれを満足しています。
バックルによる簡易脱着であること
シューズであることに加え、保持力をクイックリリース式のバックルにより簡易に脱着いる構造なのもポイントです。
ベルクロだけでは心許ないし、靴紐だと面倒くさい。BOA式(ダイヤルでクルクル回すタイプ)もありましたが、以前BOA式のゴルフシューズでイヤな思い出があるため、バックルタイプは自分の中のベスト解でした。
他にも、デザインがワリと格好いいことと、普段着るモトパンツが白/黒ということもあって、色調が合うと判断したことも決め手です。
気になる事:パンツ裾からのカカト部の浮き
ただ気になったのが、カカト部にジーンズやモトパンツの裾が引っかかって浮いてくるのではないか?ということ。
バイクにはヒザを曲げて乗る訳ですが、曲げた時にどうしても裾が引っ張られて上にあがってきてしまいます。そんな時はバイクの上に立つなどして足を伸ばして裾を下げるのですが、このシューズの形状だと裾がカカト部分に引っ掛かって上手く下がらない可能性があります。そうなると風が直に当たって冷えるし、なにより格好悪い。
ずいぶん前にエンジニアブーツでバイクに乗っていた時に同じ現象が起きたので、一番気になるポイントです。
【レビュー】
さっそく履いてみました。
普段25.5~26.0㎝を履いているのですが、靴下を履いても少し大きいように感じました。でも店頭で25.5㎝を試着した時は逆に窮屈に感じたので、elfのシューズであればこれくらいが良いかもしれません。
バックルとベルクロのおかげで、履くのはとてもスムーズで、ストレスはありません。
シューズタイプなのでブーツにあるようなスネ周りの収まりを気にする必要もなく、気軽に扱えることが改めて確認できました。
一方、モトパンツを履いてカカトの浮き具合を確認したところ、やはり引っ掛かるように感じます。どれくらい浮くのかは実際に運転して確認したいと思います。
ガンガン攻める時にはブーツ、お気軽に散歩や買い物の足でバイクに乗る時はシューズ、といった使い分けができると良さそうです。
特にジーンズでバイクに乗る時は、裾をブーツアウトしたいのにプロテクタが出っ張りできないので、仕方なくブーツインしていたのですが、膝を曲げるとジーンズがつっぱり、かといって余裕を持たせるとバイクから降りた時にダブダブしていて格好悪かったりしてました。
期待通りシューズであればそういった悩みからは解放されそうです。バイクに乗る楽しみが増えました。
XR250(ME06) ホットスターター取付け
こんばんは。カズです。
前回の記事で書いた「XR250(ME06)の始動性改善について」の続きです。
new-kazu.hatenablog.com
さて前置きが長くなりましたが、二十一歳からずっと課題だった始動性を改善できるかもしれないホットスターター(以後HS)の存在を知って、居てもたってもいられずさっそくネットで情報収集しました。
あいにくME06にHSを取り付けた事例も専用部品もなく、他車両の事例を参考に構想を検討します。先輩の言葉を思い出しながら(うかつにも写真を撮り忘れていた)、
- ニップルの取り出し位置
- ホースの取り回し方
- バルブの取付け位置と固定方法
を検討します。
まずニップルの取り出し位置ですが、インシュレーター以外の選択肢はなさそうです。取り出すのに十分なスペースがあるところに目星をつけました。
次にホースの取り回しについて、ネット上にはハンドルのスイッチ周辺にON/OFFバルブを付けている人もいましたが、さすがにホースが長すぎて途中でホースが切れる恐れがあり、走行不能に陥る恐れがあるため却下。
そこで最短距離かつ開閉操作がしやす場所として、くるぶし辺りのフレームの裏側を想定しました。
以上の構想から洗い出した購入部品は以下の3点。こういったDIY用の部品調達にはモノタロウ様は大変助かります。
- ホースニップル
- 小型ボールバルブ
- 耐油ホース
さすがモノタロウ様、翌々日には配達されました。ちょうど週末の配達だったので、さっそくホースニップルを加工します。
まずdを8㎜までストレートに削って、それに雄ネジを切ってインシュレーターにねじ込もうっていう魂胆です。
問題はどうやって削るかってことですが、旋盤のような加工機はないので、ボール盤に加えてヤスリで削り込むことにしました。素材は黄銅なので大丈夫だろうと想定してやってみたところ、案の定サクサク削れました。
直径8㎜まで削ってみたところ、思いのほか早く削れたのと(15分くらい)、8㎜だと太すぎてインシュレーターのスペースが取れなくなるかもしれないと考え、6㎜まで削りました。
さて、次が難易度の高い雄ネジ作成にチャレンジ。うまく柔らかい素材だから大丈夫だとは思いましたが、結論は上手くいきませんでした。
ある程度まではねじ切りができたのですが、あと少しのところでポキッと折れてしまいました(涙)欲張りすぎた結果ですね…。
そこで考えたのが、外からねじ込むのではなく、内側から突き出すやり方。
インシュレーターの穴開けがキモとなるこのやり方がうまくいくか分かりませんが、インシュレーターは半分はゴムで残りは固い樹脂のような素材でできていて、加工はできないこともなさそうです。少し大きめに穴あけして、隙間は充填剤で埋めれば良いでしょう。
失敗した部材を使うことにして、ボール盤に加えて六角加工された部分をヤスリ円形に削ります。次にインシュレーターをバイスに斜めに固定して穴開け加工します。
加工に夢中になっていたので写真を撮り忘れましたが、仮付けした感じは良さそう。
そのままではインシュレーターの内壁から部分的に飛び出していて、空気の流れが悪くなるのは目に見えているため、ポート研磨と同じ要領で、触感で流れを確認しながら削っていきます。
同じツラ面になったら充填剤で凹部分を埋めます。
30分ほどで硬化したので、はみ出した充填剤を削り均します。密封性を高めるため表部分にもシリコン材で充填します。
インシュレーターの加工は以上。次にバルブの固定方法について。
ちょうどアルミアングル材の端材を活用することにして、ただし固定方法に気を付けないと振動で折れるのが明白だったので、余っていたグロメットを間に噛ませて振動を吸収させることにしました。
フレームへの固定はインシュロックを使うので、ステーが安定するようにステーに切り欠きを追加して、さらにスポンジ材を取り付けました。
さて、ようやく車体への組付けです。出来上がりはこんな感じ。
ちょうど良い感じに収まりました。
ヒールグリップした時にインシュロックが切れる恐れがありますので、しばらくは様子見が必要ですね。
ステーは上下には動かず、回転方向は適度に締め込まれながらも回転できるので、普段バルブのノブを車体中央側に寄せておいて、必要な時に回転させて操作するようなことも可能です。
作動確認の結果。天候がすぐれず走れてないのでチンチンにエンジンが暖まった状態では確認できてませんが、冷間時の始動性も良くなったと感じました。
完全に冷えた状態からの始動でも暖まるまでアイドリングが不安定だったのが、HSで燃焼室の混合気を追い出してから始動させるとアイドリングが早いうちから安定するようになりました。
早く実戦での有効性を確認したいと思いますが、おそらく梅雨明けまでお預けになるでしょう。確認でき次第レポートします。
XR250(ME06) 始動性改善
おはようございます。カズです。
昨夜半年振りにブログを更新したのですが、よくよく思い出すと結構ネタがあることに気づきましたので、溜まったものを吐き出していこうと思います。
まず最初は、XR250にホットスターターを取り付けたことについて。
自分のXR250はME06という型式で親しまれていたオフロードバイクで、1995年式です。こいつは「乗って良し」「いじって良し「」飾って良し」の三拍子が揃ったホンダが誇る名車です。個人的主観で名車たる所以を例に挙げてみます。
- 乗って良し:エンジンのツキが良い。燃費が良く20㎞/㍑以上走る。足回りも必要かつ十分な粘りとコシがあって、大きなジャンプは得意ではないが林道レベルなら十分現役で楽しめる。
- いじって良し:非常にシンプルな構造の空冷単気筒車で、現行車のような複雑な制御がないため整備が容易。アフターパーツも中古部品の流通量も比較的豊富。ネット上の情報には事欠かない。初めて自分でエンジンをO/Hしたりポート研磨したりしたバイクで、コイツに色んなことを教えてもらった。
- 飾って良し:格好いい。シンプルイズベスト。見ているだけでこのバイクと過ごした過去の思い出とコレで将来やりたいことが頭に浮かんでくる。単気筒なので場所を取らず、軽量なので楽に移動させられる。
実は手元のME06は3代目です。過去の2台は諸事情により手放したのですが、自分のバイクライフには欠かせない車両ということで、インドから帰任して間もなく手に入れました。売買サイトで確か13万円で入手した当初はあまり程度の良い状態ではなかったのですが、ME06最終の1995年式なのはとても嬉しかったので、大事に乗ろうとコツコツ直したりいじったりして今に至ります。
ME06を初めて手に入れたのは二十一歳の時。当時学生で、ご多分に漏れず「時間はあるが金がない」状態だったころです。。
近所に雨ざらしで保管してあった1988年式のME06を、持ち主との交渉の挙句に当時乗っていたボロボロのディグリーと交換することで入手しました。
振り返れば、フレームはMD22(XLR250)に交換してあって登録上は違法車両だったり、リアサスは抜けだったり、ディグリーを手放したのはもったいなかったとか、今更ながら思うことは色々あるけれど、「いじって良し」にも書いたようにこのバイクでメンテやカスタムをたくさん学びました。無知ゆえに無茶なこともやってしまいましたが、それでも復旧できなくなるような大きなトラブルにはならないのがME06の懐の深さであり、一番の魅力なのかもしれません。
一方でME06にも課題がありますが、一番の難点は「始動はキックのみ」であることです。若いころは大した問題ではなかったのですが、乗る時間があまりなく体力も低下してきた今、「乗りたいときにすぐ乗れること」というのは重要な要素であり、キックでしか始動できないのは億劫になってきました。
世間のME06乗りの方にしてみれば、「スターターがない=軽量化に貢献していて走りに特化した素晴らしい要素」なのでしょうから、言葉に出すのをためらってしまうのですが、なにせ寄る年波には逆らえないし、世間のME06乗りの皆さんも高齢化されていて同じ悩みを抱えていらっしゃるのかもしれません。完全に想像ですが。
特に問題なのは、エンジンが熱い時の始動性の悪さです。体験談をいくつか紹介します。
ひとつ目はレース中の再始動で20分近く足止めされたこと。2代目ME06でサンデーレースに参戦した時、ウォッシュボードにハンドルを取られて転倒しエンジンストールしましたが、何度キックしてもエンジンが掛かりませんでした。数百回はキックしたと思います。それまでは先頭グループで走っていたのに、再始動できず3周前後遅れました。キックはかなり体力を奪うのでレース戦略に大きな影響が出てしまいました。結果はクラス3位。その時は優勝を狙っていて、トップとはその周回遅れが無ければ優勝できた差だったこともあって、悔しくてレース後はしばらくME06を見ることができませんでした。
ふたつ目は最近ですが、林道での再始動でやはり20分近く足止めされたこと。登りのガレ場でエンジンストールしてしまい、足場の良いところまで戻ってエンジンを掛けようとしたのですが、何回キックしても掛からない。途中でプラグを外してみたりエアクリーナーボックスのカバーを開けたりスロットル全開にしたり、考えられることは一通りやって、再始動できたのは20分以上経ってからでした。当然その後の林道の走りはヘロヘロで、せっかくの林道ツーリングも楽しめませんでした。
みっつ目は、同じく林道でのことですが、前の事例とは違って普通にエンジン停止させた後に再始動できなかったこと。それまで結構エンジンを回して林道を走った直後に、倒木回避のルートを確認しようとエンジンを止めて、数分後に再始動しようとしたのですが全く掛からず。先輩であり師匠でもある方と一緒だったので助けてもらったのですがその方も始動できず。結局20分近くたってようやく掛かりました。
いずれも20分近く経ってようやく再始動できた訳ですが、チンチンに熱いエンジンは始動性が悪く、すこし冷えてからようやく掛かったというのは共通しています。そんな話をみっつ目の事例で一緒だった先輩としていたら、ホットスターターの存在を教えてもらったのです。ホットスターターというのは聞いたことはあっても未知の存在だったので教えてもらいました。
先輩曰く「4stエンジンは構造上、熱間時の始動性が悪いのが宿命だが、インジェクターやセルスターターであれば問題にならないものの、キャブ&キックだと自分の体験したようなことは、特にレースの世界では以前から問題としてあった。モトクロスレースで先頭を走っていたもののジャンプ中にストールして再始動できずリタイアした選手がいたのは有名で、その解決策としてホットスターターが考案された」とのこと。
続けて「仕組みとしては、燃焼室にはガソリンと空気が混合気となっているが、熱間時は混合比が濃い傾向にあって点火しにくくなるため、無理やり空気だけを送り込む。構造は至って簡単で、キャブより先のマニホールド辺りにニップルを追加してホースを取り付けるだけ。始動後は閉じる必要があるから手動バルブを付ければよい」とのこと。
先輩自身もXR600で同じ問題を抱えていたことがあって、ホットスターターを取り付けたところ劇的に改善した経験があったとのことで、実車を見させてもらったら確かにそんな部品が付いていました。
自分自身でもネットで調べて大体構造が分かり構想が固まったので、部品を調達しました。時間がなかなか取れなかったのですが、先日完成したので、次回の記事で取付けとインプレを紹介します。
スーパーカブHA02 サスペンション交換、キャリア取付
こんにちは。カズです。
随分久しぶりの更新です。最後の更新が昨年末なので半年振り・・・怠けすぎですね(汗)
仕事が忙しくて更新するヒマもネタもない、というのは完全に言訳で、単に無精なだけです。ブログを頻繁に更新している方々は本当に尊敬に値すると思います。
さて、今回更新することにしたのは、久々にカブネタができたからでして。
すこぶる快調に通勤快速として大活躍のHA02。問題もなく不満もなかったということで、前回紹介したのを最後に特筆するような変化はありませんでしたが、最近少し奮発していくつか部品を付けたのです。
奮発したといってもビックバイクのタイヤ代の半分くらいですから、安いものです。
今回取り付けたのは次の3種類です。
- 前後のサスペンション
- キャリア2種類
- ボックス
前後サスペンション交換
このカブは1995年式で、前のオーナーから譲り受けた時点での走行距離は2万5千キロ弱。年式的にも距離的にもサスはもう終わっている状態でした。
少しの段差でもホワンホワンと揺られて収束しません。コーナーリングでも踏ん張りが効かず、ギャップを乗り越えると挙動がかなり乱れました。
それでも所詮90ccの原付ですからそんな挙動でもワリと楽しんでいたものの、機会があれば交換したいと思っていました。
そんな折にキャリアを取り付けることにした際、ショップのHPで前から気になっていたサスが目についたため、思わずポチってしまったわけです。
まずリア側から。
購入したのは、カブの部品調達でいつもお世話になっているアウトスタンディング。
在庫があったため注文した二日後には配達されました。
さっそく開けてみます。まずは梱包状態。
YSSというタイのサスペンションメーカーです。初めて購入しました。
けっこうしっかりとした化粧箱で、上質な印象を受けます。
カブ系で有名な東京堂と共同開発した専用品のようです。
開梱して内容物を確認します。
取説・保証書・プリロード調整用工具・サイズ違いのカラー4個・ステッカーが入っています。
サス自体の品質は良く、塗装のムラやメッキの浮き、バリなどは見当たりません。バンプラバーはしっかりとしたゴム製。トップはYSSの文字が浮いたアルミの鋳造品です。
ノーマルを外して比較してみます。
センタースタンドを掛けて上下の袋ナットを取れば簡単に外せます。
ノーマルはボディと同じ色のついたカバードタイプなので、白のサスだとかなり目立ちそうです。
白以外にも黒とクロームがあってどれを買うか迷ったのですが、在庫があった白と黒のどちらかであれば、せっかくリプレイス品と交換するので、目立つ方が良いと思って白にしました。
車体がダーク系なので結構目立ちますが、そのうち目にも馴染むでしょう。
自由長はショップの情報通り、ノーマルと同じ340㎜です。
上下のカラーは同サイズなので変更不要です。
片方ずつ外して交換です。いたって簡単で、サスを外した際にボディの隙間を掃除したりグリスアップしたりしても10分程度で作業終了です。
続いてフロント側。
リアと同時にアウトスタンディングで購入しました。リプレイス品にしようか一瞬悩みましたが、値段がかなり高いのと在庫がないことから、補修部品の方を選択しました。
商品はこんな感じ。箱はリアのYSSと比較するとチープさが漂います。値段がだいぶ違うので当然でしょうけど。サス本体はメッキではなくユニクロでしょうか。なんとなくすぐサビそうな印象を受けます。
ノーマル(左)との比較です。
ノーマルは防錆効果の高そうな塗装がされています。補修品の方はスプリングの巻き数が少し多いですが、乗り味にどれほど影響があるのかは乗ってみてのお楽しみ。
自由長は同じ。
ノーマルのブッシュは偏心してました。かなり負荷が掛かっているからでしょうか。それとも長年のヤレなのか。
リアと違って、フロントのサス交換はホイールを外したりボトムリンクを外したりする必要があるため、それなりに手間が掛りました。
せっかく外したので、リンク周りの清掃とグリスアップをやったり、ホイールのハブの清掃をしたりしたので、1時間弱の作業時間でした。
交換後の写真はのちほどキャリア&ボックスとあわせて紹介します。
キャリア取付け
このカブは、ノーマルはカクカクした野暮ったい外観だったのを、復活させるにあたって色々手を加え、あえてキャリアを付けず外観重視としたので、シンプルで格好良く仕上がりました(個人的主観)。
一方でやはりキャリア+ボックスがないと実用面では勝手が悪く、普段の通勤ではバックパックを背負っているのでそれほど気にならないものの、ちょっとした買い物に行くにも「箱があると便利だよなぁ」と思っていたわけです。
そんな矢先に、仕事場に工具を持っていくことがあってカブで運んだわけですが、右手アクセル&ブレーキ、左手に工具箱を持って運転したのです。
元々カブはそういった運転を想定しており、その証拠として右側にウィンカーやホーンなどのスイッチ類が集約してあるのですが(自分のはパイプハンドルへの変更とあわせてスイッチ類は左に移植)、いざやってみるとなかなか難しく、特にブレーキ時に片腕では身体を支えきれなくてぎこちない運転になり、なんとも情けなかった訳です。
そこで「やっぱりキャリアと箱は欲しいなぁ」となって、購入に至りました。
当初はボックスを付けることを想定してリアキャリアだけを付けるつもりでしたが、購入金額が15,000円以上だと送料がタダになるということで、1000円弱の不足分を補うため、ベトナムキャリアもついでに購入しました。
まずはリアキャリアから。
注意点として、まず自分のカブはシートをミディアムシートに交換しているので、それ専用のキャリアを選ぶ必要があります。
また元々は四角いHA02でそれ専用のキャリアが設定されていますが、外装をいじった際にリアフェンダー上部の外装とあわせてステーも外しているため専用品は装着不可です。
四角くないカブのものはそのまま流用できそうと判断して購入したところ、読みはあたってその状態で装着できました。
利用したのは、サスペンションと同じアウトスタンディング。
外観はこんな感じ。バリ処理してからメッキを掛けてあり、細部にもメッキがのっていてクオリティは良いです。
続いてベトナムキャリア。
リアキャリアと比べると、プレスを打ち抜いたままのようなバリが目立ちます。ヘタするとケガする恐れがあります。メッキも全体的に薄いように感じます。
ともに取付けは簡単で、しいて言えばステーで外装を傷つけないように配慮したこと、バリでケガしないように注意したことくらいです。
さて、取付けた状態です。
まずはビフォーから。
続いて3点を取り付けた状態。
リアサスがやけに目立ちます。
またリアキャリアが思いのほか長かったです。ボックスを載せればちょうど良いとは思いますが。ベトキャリは造りはイマイチでしたが、シルエット的には悪くありません。
ボックス取付
ボックスは正直、色々悩みました。
バランス的に大きすぎるのはNG、さらに丸っこいいわゆるGIVIボックスも浮くのでNGとしていました。
鉄箱はアリかと思いましたが、ヘルメットが入らない上に知人がすでにカブに付けていて身近な人の二番煎じはナシと考え却下。
そこで候補に挙がったのは二つ。
- ホンダ純正ビジネスボックス
- 明邦化学工業カスタムセブン
オークションでの流通やインプレなど一通り目を通したところ、ホンダ純正ビジネスボックスに気持ちが傾きましたが、最終的にカスタムセブンにしました。
決め手になったのは、やはりサイズ。
両方ともヘルメットが入るのは良いとして、前者は大きすぎました。シングルシートでしっかりとした純正キャリアであれば、バランスがよくて迷わず決めていたと思いますが、ミディシート用のキャリアはかなり後ろに出っ張るため、あまり大きい(長い)と見た目のバランスだけでなく乗った時のバランスも悪いだろうと考えました。
後者の方はそういう意味ではヘルメットが入る最小限の大きさのようなのでベストサイズと判断しました。また形状もユニークで、野暮ったさが逆にカブにちょうど良いと思いました。
それと値段も、カスタムセブンはホンダ純正の約半額というのも決め手の一つです。
購入は最安値だったアマゾンで。
さすがアマゾン、翌々日には配達されました。
まずは梱包状態から。とても軽いです。これならハンドリングへの影響は少なそうです。もちろん空荷状態では。
続いて開梱状態。想像通り質素な仕上がりです。ステッカーはダサいので剥がします。
同梱品。簡単な取説とステー&ボルト類です。金属部品はすぐに錆びそうです。
試しにヘルメットを入れてみました。ジャストサイズです。もちろんつっかえずにフタは閉まりました。
取付け自体は簡単です。
ただしキャリアにそのまま載せると滑るので、底の外側にラバーマットを貼り付けました。異音防止にもなると思います。
また中心出しと前後位置決めに少し気を使いました。特に前後位置は極力フロント側に寄せたかったものの、キャリアのタンデムグリップを活かしたかったのもあって、試行錯誤しました。
組付け状態です。
これでもかなり後ろにはみ出してしまってます。
デザインのバランスは悪くないと思います。
以前のスタイルは損なわれてしまいましたが、実用面を考えるとこんなものかなと。
サスペンション交換後のインプレは次回の記事で。