しばられない生き方 〜Reborn myself〜

四十路にして惑いまくりの中、自分の人生は自分で舵取りすることに四苦八苦することをつづっています。趣味のバイクや木工も書いています。

XR250(ME06) 始動性改善

おはようございます。カズです。

 

昨夜半年振りにブログを更新したのですが、よくよく思い出すと結構ネタがあることに気づきましたので、溜まったものを吐き出していこうと思います。

 

まず最初は、XR250にホットスターターを取り付けたことについて。

自分のXR250はME06という型式で親しまれていたオフロードバイクで、1995年式です。こいつは「乗って良し」「いじって良し「」飾って良し」の三拍子が揃ったホンダが誇る名車です。個人的主観で名車たる所以を例に挙げてみます。

  • 乗って良し:エンジンのツキが良い。燃費が良く20㎞/㍑以上走る。足回りも必要かつ十分な粘りとコシがあって、大きなジャンプは得意ではないが林道レベルなら十分現役で楽しめる。
  • いじって良し:非常にシンプルな構造の空冷単気筒車で、現行車のような複雑な制御がないため整備が容易。アフターパーツも中古部品の流通量も比較的豊富。ネット上の情報には事欠かない。初めて自分でエンジンをO/Hしたりポート研磨したりしたバイクで、コイツに色んなことを教えてもらった。
  • 飾って良し:格好いい。シンプルイズベスト。見ているだけでこのバイクと過ごした過去の思い出とコレで将来やりたいことが頭に浮かんでくる。単気筒なので場所を取らず、軽量なので楽に移動させられる。

 

f:id:New_Kazu:20190616095509j:plain

 

実は手元のME06は3代目です。過去の2台は諸事情により手放したのですが、自分のバイクライフには欠かせない車両ということで、インドから帰任して間もなく手に入れました。売買サイトで確か13万円で入手した当初はあまり程度の良い状態ではなかったのですが、ME06最終の1995年式なのはとても嬉しかったので、大事に乗ろうとコツコツ直したりいじったりして今に至ります。

 

ME06を初めて手に入れたのは二十一歳の時。当時学生で、ご多分に漏れず「時間はあるが金がない」状態だったころです。。

近所に雨ざらしで保管してあった1988年式のME06を、持ち主との交渉の挙句に当時乗っていたボロボロのディグリーと交換することで入手しました。

振り返れば、フレームはMD22(XLR250)に交換してあって登録上は違法車両だったり、リアサスは抜けだったり、ディグリーを手放したのはもったいなかったとか、今更ながら思うことは色々あるけれど、「いじって良し」にも書いたようにこのバイクでメンテやカスタムをたくさん学びました。無知ゆえに無茶なこともやってしまいましたが、それでも復旧できなくなるような大きなトラブルにはならないのがME06の懐の深さであり、一番の魅力なのかもしれません。

 

一方でME06にも課題がありますが、一番の難点は「始動はキックのみ」であることです。若いころは大した問題ではなかったのですが、乗る時間があまりなく体力も低下してきた今、「乗りたいときにすぐ乗れること」というのは重要な要素であり、キックでしか始動できないのは億劫になってきました。

世間のME06乗りの方にしてみれば、「スターターがない=軽量化に貢献していて走りに特化した素晴らしい要素」なのでしょうから、言葉に出すのをためらってしまうのですが、なにせ寄る年波には逆らえないし、世間のME06乗りの皆さんも高齢化されていて同じ悩みを抱えていらっしゃるのかもしれません。完全に想像ですが。

 

特に問題なのは、エンジンが熱い時の始動性の悪さです。体験談をいくつか紹介します。

 

ひとつ目はレース中の再始動で20分近く足止めされたこと。2代目ME06でサンデーレースに参戦した時、ウォッシュボードにハンドルを取られて転倒しエンジンストールしましたが、何度キックしてもエンジンが掛かりませんでした。数百回はキックしたと思います。それまでは先頭グループで走っていたのに、再始動できず3周前後遅れました。キックはかなり体力を奪うのでレース戦略に大きな影響が出てしまいました。結果はクラス3位。その時は優勝を狙っていて、トップとはその周回遅れが無ければ優勝できた差だったこともあって、悔しくてレース後はしばらくME06を見ることができませんでした。

f:id:New_Kazu:20190616100151j:plain

2代目ME06 ファイティングレッドでカッコイイ!

 

ふたつ目は最近ですが、林道での再始動でやはり20分近く足止めされたこと。登りのガレ場でエンジンストールしてしまい、足場の良いところまで戻ってエンジンを掛けようとしたのですが、何回キックしても掛からない。途中でプラグを外してみたりエアクリーナーボックスのカバーを開けたりスロットル全開にしたり、考えられることは一通りやって、再始動できたのは20分以上経ってからでした。当然その後の林道の走りはヘロヘロで、せっかくの林道ツーリングも楽しめませんでした。

f:id:New_Kazu:20190616101052j:plain

ガレ場林道の後の休憩 走行中はストールしないかヒヤヒヤしてました

 

みっつ目は、同じく林道でのことですが、前の事例とは違って普通にエンジン停止させた後に再始動できなかったこと。それまで結構エンジンを回して林道を走った直後に、倒木回避のルートを確認しようとエンジンを止めて、数分後に再始動しようとしたのですが全く掛からず。先輩であり師匠でもある方と一緒だったので助けてもらったのですがその方も始動できず。結局20分近くたってようやく掛かりました。

f:id:New_Kazu:20190616100411j:plain

先輩のXR600と道の駅にて

 

いずれも20分近く経ってようやく再始動できた訳ですが、チンチンに熱いエンジンは始動性が悪く、すこし冷えてからようやく掛かったというのは共通しています。そんな話をみっつ目の事例で一緒だった先輩としていたら、ホットスターターの存在を教えてもらったのです。ホットスターターというのは聞いたことはあっても未知の存在だったので教えてもらいました。

 

先輩曰く「4stエンジンは構造上、熱間時の始動性が悪いのが宿命だが、インジェクターやセルスターターであれば問題にならないものの、キャブ&キックだと自分の体験したようなことは、特にレースの世界では以前から問題としてあった。モトクロスレースで先頭を走っていたもののジャンプ中にストールして再始動できずリタイアした選手がいたのは有名で、その解決策としてホットスターターが考案された」とのこと。

 

続けて「仕組みとしては、燃焼室にはガソリンと空気が混合気となっているが、熱間時は混合比が濃い傾向にあって点火しにくくなるため、無理やり空気だけを送り込む。構造は至って簡単で、キャブより先のマニホールド辺りにニップルを追加してホースを取り付けるだけ。始動後は閉じる必要があるから手動バルブを付ければよい」とのこと。

先輩自身もXR600で同じ問題を抱えていたことがあって、ホットスターターを取り付けたところ劇的に改善した経験があったとのことで、実車を見させてもらったら確かにそんな部品が付いていました。

 

自分自身でもネットで調べて大体構造が分かり構想が固まったので、部品を調達しました。時間がなかなか取れなかったのですが、先日完成したので、次回の記事で取付けとインプレを紹介します。