しばられない生き方 〜Reborn myself〜

四十路にして惑いまくりの中、自分の人生は自分で舵取りすることに四苦八苦することをつづっています。趣味のバイクや木工も書いています。

XR250(ME06) ホットスターター取付け

こんばんは。カズです。

前回の記事で書いた「XR250(ME06)の始動性改善について」の続きです。
new-kazu.hatenablog.com

 

さて前置きが長くなりましたが、二十一歳からずっと課題だった始動性を改善できるかもしれないホットスターター(以後HS)の存在を知って、居てもたってもいられずさっそくネットで情報収集しました。

あいにくME06にHSを取り付けた事例も専用部品もなく、他車両の事例を参考に構想を検討します。先輩の言葉を思い出しながら(うかつにも写真を撮り忘れていた)、

  • ニップルの取り出し位置
  • ホースの取り回し方
  • バルブの取付け位置と固定方法

を検討します。

まずニップルの取り出し位置ですが、インシュレーター以外の選択肢はなさそうです。取り出すのに十分なスペースがあるところに目星をつけました。

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ニップルの取付位置

次にホースの取り回しについて、ネット上にはハンドルのスイッチ周辺にON/OFFバルブを付けている人もいましたが、さすがにホースが長すぎて途中でホースが切れる恐れがあり、走行不能に陥る恐れがあるため却下。

そこで最短距離かつ開閉操作がしやす場所として、くるぶし辺りのフレームの裏側を想定しました。


以上の構想から洗い出した購入部品は以下の3点。こういったDIY用の部品調達にはモノタロウ様は大変助かります。

 

さすがモノタロウ様、翌々日には配達されました。ちょうど週末の配達だったので、さっそくホースニップルを加工します。

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ホースニップルの加工、まず8㎜まで削り込みます

まずdを8㎜までストレートに削って、それに雄ネジを切ってインシュレーターにねじ込もうっていう魂胆です。

問題はどうやって削るかってことですが、旋盤のような加工機はないので、ボール盤に加えてヤスリで削り込むことにしました。素材は黄銅なので大丈夫だろうと想定してやってみたところ、案の定サクサク削れました。

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旋盤はないので、ボール盤に加えさせて金物ヤスリでひたすら削る

直径8㎜まで削ってみたところ、思いのほか早く削れたのと(15分くらい)、8㎜だと太すぎてインシュレーターのスペースが取れなくなるかもしれないと考え、6㎜まで削りました。

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6㎜まで削ったところ。強度的に大丈夫か?

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元との比較。ヤスリでもワリと簡単に削れた

さて、次が難易度の高い雄ネジ作成にチャレンジ。うまく柔らかい素材だから大丈夫だとは思いましたが、結論は上手くいきませんでした。

ある程度まではねじ切りができたのですが、あと少しのところでポキッと折れてしまいました(涙)欲張りすぎた結果ですね…。

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ダイスで雄ネジ切り。失敗。

そこで考えたのが、外からねじ込むのではなく、内側から突き出すやり方。

インシュレーターの穴開けがキモとなるこのやり方がうまくいくか分かりませんが、インシュレーターは半分はゴムで残りは固い樹脂のような素材でできていて、加工はできないこともなさそうです。少し大きめに穴あけして、隙間は充填剤で埋めれば良いでしょう。

 

失敗した部材を使うことにして、ボール盤に加えて六角加工された部分をヤスリ円形に削ります。次にインシュレーターをバイスに斜めに固定して穴開け加工します。

加工に夢中になっていたので写真を撮り忘れましたが、仮付けした感じは良さそう。

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ニップルの仮付け状態。出っ張り部分を削る必要あり。

そのままではインシュレーターの内壁から部分的に飛び出していて、空気の流れが悪くなるのは目に見えているため、ポート研磨と同じ要領で、触感で流れを確認しながら削っていきます。

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リューターで慎重に削ります

同じツラ面になったら充填剤で凹部分を埋めます。

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メタルロックで充填。在庫であったので。

30分ほどで硬化したので、はみ出した充填剤を削り均します。密封性を高めるため表部分にもシリコン材で充填します。

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シリコンコーキングで隙間を充填

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メタルロックがはみ出した部分も削って均します

 

インシュレーターの加工は以上。次にバルブの固定方法について。

ちょうどアルミアングル材の端材を活用することにして、ただし固定方法に気を付けないと振動で折れるのが明白だったので、余っていたグロメットを間に噛ませて振動を吸収させることにしました。

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ボールバルブをアルミステーに固定したところ。グロメットが秘訣

フレームへの固定はインシュロックを使うので、ステーが安定するようにステーに切り欠きを追加して、さらにスポンジ材を取り付けました。

 

さて、ようやく車体への組付けです。出来上がりはこんな感じ。

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分かりにくいですが、取付け状態。

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インシュレーター側の拡大画像

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バルブの固定


ちょうど良い感じに収まりました。

ヒールグリップした時にインシュロックが切れる恐れがありますので、しばらくは様子見が必要ですね。

ステーは上下には動かず、回転方向は適度に締め込まれながらも回転できるので、普段バルブのノブを車体中央側に寄せておいて、必要な時に回転させて操作するようなことも可能です。

 

作動確認の結果。天候がすぐれず走れてないのでチンチンにエンジンが暖まった状態では確認できてませんが、冷間時の始動性も良くなったと感じました。

完全に冷えた状態からの始動でも暖まるまでアイドリングが不安定だったのが、HSで燃焼室の混合気を追い出してから始動させるとアイドリングが早いうちから安定するようになりました。

早く実戦での有効性を確認したいと思いますが、おそらく梅雨明けまでお預けになるでしょう。確認でき次第レポートします。